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理事長挨拶

東部金属熱処理工業組合のウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。

私たち東部金属熱処理工業組合は、東日本の熱処理会社の協力を目的として、創業者91人によって1972年に設立されました。ほとんどの熱処理会社は中小企業であり、大企業に比べて資金、人員などの経営資源が不足する傾向があります。当組合は、中小企業をサポートするために大きな役割を果たしております。

熱処理は、鍛造、鋳造、金型、金属プレス等と並んで重要な素形材分野の一つとして位置付けられており、日本の代表的製品である自動車、建設機械、工作機械、産業機械、電気製品などの「ものづくり」は、こうした素形材分野の技術力を抜きには成立しないものであります。こうした製品の多くの部品は、熱処理加工が施されており、言い換えれば、熱処理なしでは日本の「ものづくり」は成立しないことになります。

日本経済は、緩やかな回復が続いておりましたが、米中の貿易摩擦による世界経済の減速感により、先行きの不透明感が増しました。また少子高齢化による超高齢化社会に突入し、何よりも問題視されているのが「生産年齢人口( 15 歳から64 歳)の減少」です。働き手世代の深刻な人手不足が製造業をはじめ各業種で大きな問題となっております。2019年4月に「働き方改革」や外国人労働者の受け入れを拡大する「改正出入国管理法」が施行するなど対策に乗り出していますが、日本の国内企業がいかに労働人口の減少に対処すべきかが喫緊の課題となっております。

素形材産業の重要基盤業種の一つである金属熱処理業界では、こうした環境の中、技術開発力や技術・技能の伝承も重要な課題となっております。当組合としては、『ものづくりは人づくりから』を合言葉に人材育成に力を注ぎ、階層別の講習会を企画実行するなど鋭意取組んでまいりました。

具体的には、新入社員向けとして「初級熱処理塾」、実務経験2年以上向けとして「中級熱処理塾」、実務経験4年以上または現場のリーダー向けの「実践型熱処理塾」、国家資格の金属熱処理技能士試験受検対象者向けの「金属熱処理技能検定受験対策講習会」、高度な熱処理技術を持った熱処理会社のリーダーまたは次世代の経営者を育てるため「製造中核人材育成講座:金属熱処理スーパーマイスター・プログラム」(東京工業大学と連携)などとして取り組んでおります。

当組合では、4つの委員会(技術、品質、マーケティング、総務)が行動計画を策定し、活動を推進しています。また、次世代の経営者の集まりである「青年部会」も精力的に活動をしております。

世界のものづくり産業の将来の動向を予測することは困難です。しかし、ものづくり技術のバックボーンを提供する熱処理会社として、ものづくり産業に携わる人々の信頼に足りえる、日本の高度な熱処理技術を維持することがとりわけ重要です。これらを達成するために、組合は「教育」の質をこれまで以上に高めるためにあらゆる努力を払わなければならないと強く考えております。

 

東部金属熱処理工業組合 理事長 嶋崎 利行

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